そこで、県が関係している
温泉施設は、東部では久松閣、中部では湖畔荘、西部では
皆生温泉会館と
みなと温泉館であります。ところで、
地方職員共済組合が運営されている久松閣ですが、現在は宿泊と温泉をやめて宴会と食事のみとなっているようですが、昨今の状況からも宴会は減少しており、当然赤字経営になっているものと思いますが、
経営状況についてお伺いいたします。
そこで、私は、職員の厚生施設としては
温泉施設は十分活用すべきと思うのであります。現在、鳥取市内には休息所を備えた本格的な
温泉施設は1つだけでありますが、久松閣は歴史のある県の
温泉施設の1つであり、再整備して職員とその家族の保養の場所とともに、多くの県民を初め観光客に広く利用される施設として、鳥取県の東部の
観光振興の一助になるのではないかと思いますが、この点について知事の御所見をあわせて伺っておきたいと思います。
第2点に、鳥取県の
観光戦略の策定についてお伺いいたします。
鳥取県の観光客の入り込み数はここ4年間で増加し、昨年は
中国横断自動車道岡山米子線の全線開通、山陰・夢みなと博覧会の開催により、過去最高の156万人を達成したのであります。しかし、ことしは長引く景気の後退のあおりを受けて、全国的に観光業界が低迷する中で、鳥取県においては、ことし4月の明石海峡大橋の開通により、団体客を中心に観光客が激減しております。特に関西の団体客は大幅に減少し、県内の観光地によっては、前年より3割以上も減少したとの声も伺っております。
一方、四国側では前年より平均3割の増加で、特に徳島県では300%を超える観光地もあるのが現状で、ホテル、旅館の一番忙しい仕事は電話の
宿泊申し込みを断ることだと仄聞しております。かつて瀬戸大橋が開通した昭和63年4月の観光客は4割増加し、香川県の坂出、丸亀、琴平は340%に達したのであります。しかし、翌平成元年には8%の減少と、以降毎年減少して、10年間でほぼ架橋前の水準に戻ったと言われております。
そこで、来春には
本州四国連絡橋尾道今治ルートが開通いたします。この全線開通により最も恩恵を受けるのは四国側で、特に愛媛県への
ストロー現象が起こると指摘しているエージェントもいると言われております。来年の
瀬戸内しまなみ海道の開通により瀬戸内三橋時代に入り、
広域観光ルートも整備され、多くの観光客を引きつけると思います。また、平成12年度には、兵庫県淡路島では184日間の国際園芸・造園博「ジャパン・フローラ2000」が開催され、平成13年には山口県と北九州市で
ジャパンエキスポが開催されるなど、いとまがない観光誘致の戦略となっております。
このような環境の中で、鳥取県の観光を取り巻く環境はまことに厳しく、特に近年の大不況とともに大変な時代を迎えようとしております。しかし、本県としては手をこまねいているわけにはいかないのであります。
一方、鳥取県では、
大型観光施設としては既に燕趙園、夢みなとタワー、
大山ミルクの里をオープンさせ、来春はいよいよとっとり花回廊、夏には氷ノ山自然ふれあい館がオープンすることになっております。このような施設から、私は、これから
大型観光施設と県下の各市町村並びに民間の施設などの連携を中心とした鳥取県の
観光戦略を構築すべき時期に直面していると思いますが、知事の御見解と御所見をお伺いいたします。
次に、耐震診断の結果に伴う
米子警察署の改築について質問いたします。
米子警察署の改築については、我が同僚議員から、平成2年2月及び平成6年12月の2回にわたって、各
定例県議会において我が党から質問を重ねておりますので、今回が3回目となります。
御案内のとおり、
米子警察署の改築等の必要性については、8年前の実態を踏まえての対応策を質問いたし、
警察本部長から整備が必要である旨の答弁がなされており、今さら繰り返すことはありませんが、県民の暮らしと財産を守る豊かで安心のできる県政を目指しておられる西尾県政であるだけに、再度質問いたしたいと思います。
平成2年度の
定例県議会で、西部地域の経済発展と社会環境の変化や
米子警察署の抱える敷地の狭隘、施設の狭隘化並びに留置施設の改修の必要性等から
西部運転免許センターの移転を提言し、その後実現されたことは、まことにすばらしい対応であったと思うのであります。そこでこの移転を含めて
米子警察署は全面移転の必要性があるのではないかと質問がされており、これに対し、
警察本部長は移転を含めて今後十分に検討をしていく旨の答弁をなさっております。
さらに、平成6年12月議会で
警察本部長に対して、
米子警察署の
改築問題等についてどのような検討がされてきたのかの質問とあわせ、西尾知事に対しても、どのような対応を考えておられるのか質問がされており、これに対し当時の
警察本部長は、治安面、
市民サービスの面等から現在位置で改築することが最良であるとの判断を示され、あわせて
米子警察署の早期整備に向けて努力したいと答弁しておられます。また知事も、
警察本部での検討結果を聞いた上で検討していく旨の答弁がなされております。
ところで、平成2年の最初の質問と我が公明の
要望書提出から、はや8年の歳月が経過しておるのでありますが、
米子警察署施設の狭隘化、特に
留置場施設の緊急な改善の必要性にもかかわらず、依然として財政を理由に解消されておらず、むしろ、以前にも増して
執務環境等は悪化しているのが実態であると指摘せざるを得ないのであります。早急な整備が必要と考えますが、
米子警察署の整備について、その後の検討結果はどうなっているのか。いつ、どのような整備を図るお考えなのか。あわせて今後の予定について、この際
警察本部長の確かなる答弁を伺っておきたいと思います。
以上、第1回の質問を終わります。
◯議長(
藤井省三君)西尾知事
◯知事(
西尾邑次君)(登壇)山崎議員から、県政の基本認識ということで
大型プロジェクトを次々とやっているが、それがこれからの社会資本の整備や
各種振興策に影響が及ばないように、バランスのとれた施策をやるべきではないかという御質問であったかと存じます。
現在計画しております、あるいは事業を実施しております
大型プロジェクトというのは、御承知のように、鳥取県の将来の発展のために必要なものでございまして、その必要性や効果などについても構想段階からこちらの方でも十分検討し、そして、県議会を初め県民の皆様の御理解と御協力によって事業を進めているわけでございます。
21世紀に向けて本県の基本目標でございます
公園都市鳥取県を実現していくということのためには、こういった
大型プロジェクトというものもぜひとも必要だと思いますので、これは引き続き推進してまいりたいと思いますが、
生活環境基盤の整備や、あるいは高齢社会の対応、産業の振興、そういったことなどとのバランスのとれた施策の展開ということは、十分考えながらやっていかなければならないと考えております。
本県の財政状況は決して楽観できるような見通しではないわけでございます。その時々の社会情勢や
県民ニーズ等を勘案して、引き続き必要な事業について着実に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
次に、
生活福祉資金の
貸し付け利率についてお尋ねがございました。
生活福祉資金の事業というのは、御承知のように、県の
社会福祉協議会が
市町村社会福祉協議会と連携して、自主的また主体的に実施している事業でございます。県が
タッチするのは補助金を出しているということでございますが、確かにお話しになったように、この低金利の時代に長くそのままの金利であるというのは、私も本当に高いなという感じがいたします。
しかし、これは実は県で自由にならないわけでございまして、国の方で決定をされているものでございます。随分高いということで、ことしの4月にも県の担当の課長に貸し付け金利の引き下げということについて厚生省に要望をさせたわけでございますけれども、引き下げは非常に困難だという返事しか返ってまいっておりません。また、全国の
生活福祉資金の
担当者会議においても、この
貸し付け利率の見直しが必要だという意見が出てまいっているわけでございます。私は、単県で継ぎ足しというよりかも、やはり国で金利を下げるということが非常に大切だと思っておりますので、引き続き国の方に機会をとらえて改正を要望してまいりたいというふうに思っております。
次に、久松閣の
経営状況とこれからの温泉を生かしたところの施設に再編する必要があるのではないかということでございます。
経営状況については総務部長の方からお答えをいたしたいと存じますが、御承知のように、久松閣の最近の
経営状況というのは大変苦しくなっております。議員が御提案ございました温泉を生かすということは、鳥取では非常に重要なことだと思いますけれども、現在の場所が住宅地の中にあって、こういった施設の位置としては市内でも駅から比較的遠いということもございます。また、現在の久松閣は、車の駐車ということになりますと、非常にわずかしか駐車ができないというような点もございます。
そういったことから、現在の位置で考えるということは非常に難しいなと思って、当面は現在やっております会食を中心とした営業形態によって利用向上を図ってまいりたいというふうに考えて実施しているところでございますが、今後の整備の方策については、御提案の趣旨も考えながら、一般県民や観光客の方が利用、あるいは地域の
観光振興といったことを考えながら、移転も含めて検討をしたいというふうに考えております。
次に、
観光振興についてのお尋ねがございました。
近年、観光客の形態というのが、個人あるいは小
グループ化や、安く・近く・短期間で観光ができるといったような方向に向いているようでございます。加えて景気の低迷の中で、
観光そのものの数というものも減っているのではなかろうかと思いますが、それに加えて鳥取と四国と申しますか、明石海峡あるいは来年の春には
尾道今治ルートが開通をするわけでございまして、どちらかというと1回はその橋を渡って四国に行ってみたいという方が多くなる、あるいは不便であったけれども便利になったから四国の方に観光をという方が多くなるということは認識しなければならないと思います。
ことしの7月、8月の鳥取県の温泉地の観光地を見ましても、昨年と比較して、1カ所を除いてほとんどが8割から9割と減っております。昨年は夢みなと博覧会がございましたから、昨年と比較すると減るというのは当然かなと思いますけれども、一般的な傾向と言ってもいいじゃないかと思います。
そういったことにはなってはおりますけれども、鳥取県の
観光資源というのは、鳥取砂丘や大山、浦富海岸などの景勝地、そして、趣を異にするところの温泉地というものがございます。また、食という点から言いましても、松葉ガニとか、あるいは新鮮な海産物、また二十世紀を初めとする四季折々の果物の味覚も富んでいるわけでございます。また、県全体が自然というものを中心とした非常に統一感のある落ちついた景観を持っておりますし、人情というものも温かいと。また、もてなしの心も息づいているように思います。
鳥取県が目指す観光地の姿としては、こうした特質を生かして、海と山の魅力を同時に満喫できること。また、温泉を中心に自然の中でくつろげるということ。また、
観光拠点施設などで楽しみながら学ぶことができる、こういった多様な旅のメニューというものが提供できる観光地があると思います。
こうした
観光地づくりを進めていくわけでございますが、鳥取県の特色や魅力を紹介する
観光拠点施設としても、わらべ館とか、あるいは燕趙園、夢みなと公園、また来春にはフラワーパークとっとり花回廊もでき上がります。また、夏には氷ノ山自然ふれあい館が開園をすることになります。さらに、
ナシ博物館や
砂丘博物館の整備も進めております。そういった中で、市町村や民間でも特色のある施設が随分と整備されてまいっております。こうした施設が連携して、さらに地域の
観光資源と結びついた広域観光の取り組みを進めることで、観光客の県内の周遊につなげるというふうにも考えております。
また、交通のアクセスでございますが、智頭急行や
JR伯備線、
高速道路姫路鳥取線などの県外との交通網の整備も進めているわけでございます。
JR鳥取~米子間が、
高速道路山陰自動車道などともあわせて、県内の東西交通の整備も進めているわけでございます。
さらに厳しい観光機関の競争の中で、観光宣伝の強化は非常に重要な要素だというふうに考えております。観光客の集客範囲が広域化している中で、関西や山陽に重点を置きつつ、各地域の特性に応じた
観光宣伝手法を選択しながら、積極的に情報発信を行ってまいりたいと考えております。
また、口コミが貴重な媒体となっておりますことから、県民みんなで鳥取県のよさを評価してPRしていくことや、先ほども申し上げましたけれども、観光客に満足していただけるような心温まるもてなしを行っていくということが大切であろうと存じます。
いずれにしても、
観光振興のためには、まず市町村や各地域の
観光関係者が地元の魅力をしっかり理解して、主体となって観光客の誘致に努めることが必要だろうと思います。こうした考え方のもとに、県としても情報の収集や観光動向の分析に努めて、常に変化する観光客の志向に対応して、効果的な観光施策に取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(
藤井省三君)
石川総務部長
◯総務部長(石川義憲君)お答えいたします。
久松閣の
経営状況につきましてお尋ねがございました。
久松閣は県職員の福利厚生のための保養施設といたしまして、
地方職員共済組合が運営しておりますが、結婚式の利用の激減、宿泊や会食等に対する利用者のニーズの変化、あるいは駅から遠いことや駐車台数が少ない等の立地条件、そして、近年施設も老朽化しております。こういった中で、近年の
経営状況は苦しいものとなってきておりまして、このところ赤字経営が続いております。
このため昨年の4月から、特に利用者の減少が著しい宿泊部門を休止いたしまして経費の削減を図るとともに、ことし4月からは夜間営業の延長も含めた営業時間の変更や地元の食材を活用いたしました料理の提供、あるいは各種の特別企画の実施などによりまして
魅力アップを図っております。これらの中で経営の改善に取り組んでいるところでございます。
◯議長(
藤井省三君)
福富企画部長
◯企画部長(福富光彦君)お答えいたします。
国民文化祭の意義、今後の取り組みなどについてお尋ねがございました。
国民文化祭は、文化庁と開催県、市町村の共催で毎年開催されておりまして、全国各地でさまざまな
文化活動を行っている方々が一堂に集い、共演し、交流する全国規模の文化の祭典でございます。近年急速に高まっております国民の
文化活動への参加意欲にこたえますとともに、国民の
文化活動の水準を高め、あわせて新たな文化の創造や地域文化の発展に寄与するという大きな意義を持つものでございます。
昭和61年に東京都で開催されて以来、年々内容も充実し、盛大になっております。昨年開催された香川県では、10日間にわたり
オープニングパレードやシンポジウム、合唱、民俗芸能、舞踊、演劇、オペラ、文化祭や美術展、34の事業が香川県内の67の会場で多彩に繰り広げられ、香川県内はもとより、全国各地や海外からの出演者数は約2万7,000人、観客は延べ87万人にも及ぶ大規模なものでございました。
本県では、平成14年、2002年の第17回の
国民文化祭の開会に向け、現在その骨格となる名称やテーマ、会期、開催事業の概要などを内容とする基本構想を、
県民各層各界から成ります
基本構想検討委員会を組織し、検討中でございます。来年度以降、順次県の
実行委員会や
開催市町村の
実行委員会を組織するなど、計画的に取り組みを進めていくこととしております。
私どもといたしましては、本県で開催する
国民文化祭では、全国から多くの方々が集い、交流を深める機会を創出し、
ふるさと鳥取の特色ある文化を全国に積極的に発信していきたいと考えております。
これまで本県で開催されましたさまざまな大会で培われた県民総参加の機運や、大会の成功で得ました県民の自信と誇りを
国民文化祭へつなげ、21世紀におきます鳥取の一大文化の祭典となりますよう、県民の皆様の御協力を得ながら準備を進めていきたいと考えております。
◯議長(
藤井省三君)
福島警察本部長
◯警察本部長(福島克臣君)お答えいたします。
議員御指摘のとおり、
米子警察署の改築につきましては、県議会等でたびたび御質問や御提言をいただいているところでございます。警察といたしましては、重要問題の一つとして検討を重ねてまいりました。議員御案内のとおり、平成6年12月の県議会では、全面移転ということも含めて検討しているが、治安の要衝として市民に定着しており、
市民サービスの面などから現在地のままで将来の改築に備えることが最良であると判断していると答弁させていただいたところでございます。
しかし、その後、現在地での敷地の拡充の可能性や、現在地で改築した場合の敷地の狭隘度の解消程度などについて具体的に検討を重ねた結果、現在地で改築した場合には敷地の狭隘化がさらに進み、改築直後から警察車両や来客用の
駐車スペースが十分に確保できなくなること、非常時や災害時に集結する車両の
駐車スペース等が確保できないことなど、多くの問題点が残ることが判明いたしました。このため現在は、現在地での改築ではなく、移転新築する方向で検討を進めているところであり、今後とも関係機関の御協力を得ながら、早期整備へ向けて努力してまいりたいと考えております。
◯議長(
藤井省三君)7番山崎建治君
◯7番(山崎建治君)続いて、
生活福祉資金の件について、予算と
貸し付け状況について再度何点かお伺いをしたいと思います。
第1点に、年間予算も年々増加をされております。例えば10年単位でその推移を見ますと、昭和53年度は1億7,200万円、昭和63年度は1億9,600万円、平成9年度、昨年は2億7,600万円、ちなみに平成10年度は2億8,600万円と、10年単位で予算の推移を見ましても大幅な増額になっております。
そこで、問題は、最近の
生活福祉資金貸付事業の実施状況を見ると、平成6年度から9年度を見ても、実に1億円から1億2,000万円、率にして30%から40%以上の予算残になっているのが実態であります。例えば平成9年度2億7,640万7,000円、支出1億5,842万9,000円、57.3%であります。
私は、6月議会においてヒューマニズムの政治を主張し、知事に伺いました。近年の厳しい経済状況の中で、おのおの大変な環境で生活をされている県民の一人一人に光を当てて、公平にこの事業の趣旨に沿った取り組みをすることこそ、ヒューマニズムの政治を実現することであると思うものであります。そのためには、貸し付け事業が大幅な予算残になっている理由がPR不足にあるのではないか、その実態の究明を早急にすべきであると思いますが、御所見をお伺いいたします。
第2点に、資金の種類ごとの予算の見直しが必要であると思うのであります。例えば
貸し付け件数、事業予算は毎年同じように推移をしております。県下毎年のデータを調べてみましたけれども、ある資金については2件、2件、2件とか、8件、9件、8件とか、10年、20年サイクルで見ても同じような推移、全く変動がない。問題は、どのように活用するかであると思うのです。資金の種類によっては予算の見直しをするとか、鳥取県が今どの資金に一番重点を置くのか等、県の指導が重要と思うのであります。
先日も県の総合福祉大会に参加いたしました。その趣旨を見ましても、鳥取県としては、県民の福祉の推進に本当に理解をし、安心して暮らせる福祉社会にしていかなければならない。これは知事も御出席になっておられました。
昨日私、ここの議員の10名の代表の方と一緒に、県の母子寡婦福祉研究集会に行ってまいりました。その内容が、きょうの新聞紙上では、母子家庭には住宅の最優先の入居をぜひお願いしたい。寡婦家庭には医療費の補助をぜひ求めたい、こういう意見、議論がきのうの母子寡婦福祉研究集会で出ておるようであります。
現在のように、県の
社会福祉協議会に任せ切りということではなく、一緒に考える。その上で、県下の各市町村の窓口になっている担当者、また県下1,374名の民生委員一人一人にさらに理解を深めていただき、制度を有効に活用することが必要と考えますが、御所見を伺っておきたい、このように思います。県の
社会福祉協議会の膨大な予算の担当者は、女性3名がやっておられますが、全くの民生委員に任せ切りですと、こういう回答でありました。
第3点に、今議会の議案第10号に提出されているように、国の
生活福祉資金貸付制度要綱及び
生活福祉資金運営要領が一部改正され、貸付事業の対象に精神障害者が追加されたことに伴い、県の
生活福祉資金貸付事業の補助に関する条例が一部改正されようとしております。
この事業が、低所得者、
障害者世帯、
高齢者世帯を対象に資金の貸し付けと必要な援助と指導を行い、
経済的立ち直りと生活の安定向上を目的としていながら、さきも述べたように、かなりの額の予算残が生じている現状を見ますと、今回の条例の一部改正にとどまらず、制度の抜本的見直しを行う必要があると思いますが、御所見を。
先ほど知事も答弁されておりましたけれども、特に知事は全国の知事会の副会長でもありますので、今日100万円の預金をしても2,000円しか利子がつかないような時代に、昭和30年以来遅々と変わらない、こういうことではならないと思いますので、制度等を含めて、全国知事会の副会長として、全資金を無利子にするような努力をぜひ要望しておきたいと思います。
最後に、私は平成9年の9月
定例県議会におきまして、県職員の時間外手当の実態について伺ったのであります。知事部局のある部を例にして、平成6年、7年、8年の予算額、支給実績を申し上げました。ここで再度確認いたしますと、平成6年のある部です。予算1億7,255万円、支給額1億7,185万。平成7年度、予算2億2,205万、支給額2億1,949万。平成8年、予算額1億7,777万円、支給額1億7,642万。中には、以前に議会でも言いましたけれども、1億6,000万円の予算に対して執行残がわずか20万円、こういう部局もあります。知事部局全体としても、11億7,700万円に対して執行残がわずか600万円となっており、毎月の執行額が70万から250万という実態であります。したがって、私が言いたいのは、
生活福祉資金貸付事業は1億円から1億2,000万円の残額が発生しているのに比べて、このような支給状況、納得がいかないのであります。
以上、いろいろ申し上げましたが、私は、利用する人の立場に立って考えてみますと、この
生活福祉資金貸付事業のような机上の施策は最も指摘されるべきであり、知事がいつもこの議場で発言をされ、先日も代表質問で答えておられました、県民の幸せのため、公平で、誠実で、開かれた政治理念で取り組んでおられますが、知事の求められている思いと逆であると指摘せざるを得ないのであります。したがって、反省すべき点、検討すべき点、改善されるべき実態を知事は御存じであったのか、お伺いをしておきたいと思います。
◯議長(
藤井省三君)西尾知事
◯知事(
西尾邑次君)(登壇)
生活福祉資金貸付事業で随分予算が残って使われていないという点についてのお尋ねでございます。
過去5年間、執行率は6割から8割となっているようでございますが、資金別に見ますと、例えば就学資金は増加傾向にございますが、住宅資金は景気の低迷などの影響もあるのではなかろうかと思いますが、低下傾向にございます。貸し付け事業実績というのは全体として低迷してまいっておりますが、これも1つは景気の低迷ということにも要因があるではなかろうかというふうに推則をいたしております。
いずれにしても、この資金の活用というのは、県の
社会福祉協議会や市町村社会協議会の機関紙などで、あるいは民生委員による積極的な広報活動を行っていただいてやっているわけでございます。どこに原因があるかということを私今正確に申し上げかねますが、その実態と申しますか、そういったことをよく調査してみたいと思います。
そこで、予算の見直しということを
社会福祉協議会に任せ切りではなくして、県も一緒になってやったらどうかということでございますが、この貸付金資金については、毎年度資金需要の変化を見きわめながら、県の
社会福祉協議会の理事会及び評議委員会で審議をして決定をされているわけでございます。
なお、県の
社会福祉協議会に設置されております
生活福祉資金の運営委員会は、事業の適正かつ効果的な運営を目的に、民政委員の代表や医師、学識経験者、県の
社会福祉協議会役員、そして県の職員も構成員となってやっているわけでございまして、県としては、この場で必要な指導・助言を行っているわけでございます。
そういったことで、
社会福祉協議会でもそれなりに努力をしていただいておりますし、また、一番末端と申しますか、住民の方と接触して努力いただいているのは民生委員の皆さんでございます。したがって、せっかくのこの制度というものがよく知られるように、PRということになりますと、民生委員に御尽力いただかなければならないのかなというふうに考えております。
そこで、この貸し付け制度の抜本的な見直しをしなければならないのではないかということでございますが、今議会にも提案しておりますけれども、県の条例で定める事項というのは限定をされております。これは資金の貸し付け対象者を決める、特別会計の区分を決める、また県
社会福祉協議会に対するところの補助金交付の手続を定める、こういったことでございます。この制度の抜本的な見直しということになりますと、県ではなくして国ということになるわけでございます。
これまでも、国において社会情勢の変化に対応しながら、新たな資金の創設とか、対象者の拡大とか、所得制限の撤廃などの制度改正が行われたところでございます。今後、
社会福祉協議会の意見もお聞きして、貸し付け制度の目的を達成するために、例えばきょうも課題に出ました
貸し付け利率の引き下げといったようなことも中に含めまして、必要なものについて県としても国に対して要望してまいりたいと存じます。
次に、反省点ということで、特に予算が消化されていないということを力説をされたように思います。
先ほども申し上げましたように、貸し付けの実績が全体として低迷をしております。せっかくの制度でございますが、多くの申し込みがあるような社会情勢であることは必ずしもいいことではなくて、社会情勢としてはそういった情勢でないことの方がいいことだと私は思います。
しかしながら、そういった状態にあるにもかかわらず、こういった制度があることを知られないために、せっかくのものが利用されないということは、大いに考えていかなければならないことだろうと思います。そういった点については、先ほども申し上げましたけれども、やはりPRということをやっていかなければならないなというふうに考えております。
県職員の時間外手当に係る問題をお話しになりましたけれども、これは比較して論ずるべきものではなかろうかと思います。県の貸付金でも、商工関係の貸し付け制度というのは毎年随分と変化があります。利用されないものも相当あるわけでございまして、それによって不公平な取り組みをやっているということでは決してないということだけは、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、せっかくの制度を知らないために利用されないということについては、これから県としても、
社会福祉協議会に対する指導という点については大いに力説をしてまいりたいと、このように思っております。
◯議長(
藤井省三君)7番山崎建治君
◯7番(山崎建治君)今おっしゃったように、10年、20年の変化のない実態をぜひよく調査をしていただいて──私も町村ごとのデータまで調べてみましたけども、10何町村が利用されてない。さかのぼってまで調べていないのですが、全く知らない、活用していないという町村も恐らくあると、私はこのように見ておりますので、その辺までぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。
次に、観光事業に関連して再度伺っておきたいと思います。
総事業費180億円を投じた
大型観光施設とっとり花回廊が、いよいよ来年4月18日に開園することになっております。とっとり花回廊は、厳しい県内観光の切り札として、県内
観光関係者が大きく期待をしているものであります。年間50万人以上を集める大規模な施設は、今日まで目玉的な核がなかった特に西部の観光に大きなインパクトを与え、特に米子市、皆生温泉に大きな恩恵をもたらすと思われると同時に、島根県の松江、出雲への観光ルートの入り口になることから、松江温泉や玉造温泉の関係者も大変期待をしておると伺っております。
ところで、せっかく鳥取県がつくった観光施設でありますので、とっとり花回廊へ来ていただいた多くの観光客が、鳥取県の中部、東部へ流れるような施策が緊急な課題であると思います。例えば、短期間でありましたけれども、ことしの夏開催された境港クリスタルファンタジアのような特色のあるイベントを開催し、とっとり花回廊とセットで県中部、東部の観光施設の充実・強化を図る誘致活動を実施すべきと思いますが、知事の御所見をあわせて伺っておきたいと思います。
さらに、とっとり花回廊の施設整備についてお尋ねいたします。
年間50万人の集客目標であれば、当然長期夏休みを初め土曜、日曜に、多くの家族連れで子供たちも美しい施設を満喫することと思います。そのためにも、児童遊園地の整備充実は絶対に必要と思いますが、現在の計画、将来の計画はどのようになっているのか、お伺いいたします。
また、入園料をいただくわけでありますから、当然入園料に見合う施設整備も完全に行い、喜んで帰っていただくことであると思います。入園料はどのように考えておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
◯議長(
藤井省三君)西尾知事
◯知事(
西尾邑次君)(登壇)
観光振興に関係して、とっとり花回廊のお尋ねがございました。
私も、このフラワーパークというのは、本県の特に西部地域ということを考えてみた場合に、大きな
観光振興の切り札だということで期待をいたしているところでございます。そういったことを考えてみますと、とっとり花回廊だけではなくして、やはり他の主要観光施設や温泉地などとの連携を図って、中部あるいは東部も含めた県全体への観光客の周遊を促進する、本県全体の
観光振興を図っていくということが非常に重要になってくると考えております。
また、県の東・中部においては燕趙園あるいはわらべ館がございますし、因幡万葉歴史館とか佐治のアストロパークといったような施設もございます。また、先ほども申し上げましたけれども、来年の夏には氷ノ山自然ふれあい館ができ上がりますし、
砂丘博物館、
ナシ博物館、カニ博物館といった大型の観光施設の整備も行うようにしているわけでございます。こうした施設の完成によって、東・中部の観光の魅力が一層充実するというふうに考えております。
とっとり花回廊を初め、こうした観光施設の整備が進むことから、県の主要な観光地や観光地を結ぶ観光ルートというのが、私は非常に重要になってくると考えております。そういった点などについては、旅行代理店などへの働きかけというものも強力に行っていかなければならないというふうに考えております。
そういったことで、さらに観光施設の連携によるところの共同した宣伝活動とか、あるいは共通割引券の発行などについても検討を行っているところでございます。さらに、市町村などとも連携して、鳥取砂丘、大山などの主要観光地や観光施設の特色を生かしたイベントの充実、こういったことにも取り組んで、観光客の県内周遊・宿泊の増大といったようなことを図ってまいりたいと考えております。
また、とっとり花回廊と児童遊園地についてお尋ねがございました。
とっとり花回廊というのは、展望回廊からのすばらしい眺望やさまざまな庭園、花壇など、花や緑に囲まれた美しい自然に触れ合うことのできる憩いの場でございます。多くの方に幅広く楽しんでいただけると考えております。さらに、園内には伸び伸びと遊べる芝生の広場や水遊びの池などもございます。展望回廊のトンネル内では、昆虫の成長する様子を動きのある立体映像によって再現してもおります。また、地中の植物や動物の世界を擬似体験することもできるような施設もございます。そういった点で、子供たちに十分楽しんでもらえるものと考えております。
なお、子供たちにさらに魅力のあるということになりますと、近くにありますものとの連携ということも考えておく必要があろうと思いますが、幸い溝口町の鬼っ子ランドがすぐ下にございます。そういったこととの連携を図っていくことも大切であろうと考えております。
今後、入園者のニーズや動向を見ながら、話題性や魅力度の向上といった中で、児童遊園地についての必要性といったようなことは検討していきたいと考えております。
次に、とっとり花回廊の入園料についてのお尋ねがございました。